胃がん
胃がんは、悪性腫瘍による死因で肺がんに次いで第2位(消化器がんでは第1位)でありますが、罹患率では依然第1位を占める疾患です。 内視鏡検査の普及により、早期で発見される症例が増加しており、早期に発見し、早く治療を受ければ完治できる病気です。
胃がんの標準的な治療指針として、日本胃癌学会から胃癌治療ガイドラインが作成されており、当科ではそのガイドラインに従い、がんの進行度に応じて、内視鏡的治療、手術治療、化学療法や免疫治療などから最も効果的な治療法を選択し、症例に応じてそれらを組み合わせて行っています。
消化器内科との連携により、内視鏡的な治療が可能な早期胃がんに対しては、内視鏡的胃粘膜切除術を行います。
内視鏡的治療適応外の早期胃癌に対しては、患者さんの負担を軽減し、術後のQOL向上を目的とした、腹腔鏡下手術を行っています。
進行がんに対しては、開腹手術により、その局在に噴門側胃切除術、幽門側胃切除術、胃全摘術を選択します。
また化学療法においては、当科独自の治療法に加えて種々の最新の治療法を積極的に取り入れ、様々なニーズに対応しうる体制を整えています。外来通院での化学療法も可能であり、年々数多くの患者さんが通院による化学療法をうけられており、QOLを保持しつつ治療を行っています。
これら胃がんの詳細につきましては、日本海事新聞に掲載された「ガイドライン2010に基づいた胃がん治療の最新版」を参照下さい。
また胃がん以外の疾患としては、胃粘膜下腫瘍(GIST)に対する腹腔鏡下手術も数多くの症例を重ねています。近年、悪性度の高いGISTに対してグリベックという有効な薬剤が開発され普及していますが、当科でも手術後の補助療法として、あるいは再発症例などに対して積極的に導入しています。
大腸がん
大腸がんは、近年徐々に増加しているがんです。平成20年度厚生労働省人口動態統計によるがんの臓器別死亡数は、大腸が、男性で3位、女性で1位となっています。近年の食習慣の変化による肥満が大きな要因とされています。予防には、運動による肥満の解消が重要といわれていますが、もちろん、がんになった場合は早期の段階で発見することが重要で、早期で治療すればほぼ治る病気です。早期発見のためにも、2年に1回は大腸内視鏡検査を受けましょう。
大腸がんは、進行度に応じた治療法がガイドラインとして示さており、病院による治療の格差をなくしています。当院でも、ガイドラインに準じた治療を行っており、外科では主に手術による切除と化学療法を行っております。手術では、体にやさしい手術法として増加しつつある腹腔鏡手術を、化学療法では、治療効果が高いとされる方法を積極的に取り入れています。
これら大腸がんの詳細につきましては、日本海事新聞に掲載された「知っておこう大腸がん」を参照下さい。
ソケイヘルニア
ソケイヘルニアとは、昔から俗に「脱腸」と呼ばれており、立っている時やお腹に力を入れた時に、お腹の中の小腸などが、太ももの付け根付近の鼠径(ソケイ)部に脱出して膨らんでくる病気です。その原因は、男性では陰嚢内の睾丸を養う血管などが、また女性では子宮を支えている靭帯がお腹の中からソケイ部の腹壁を貫いてくるあたりで、腹壁を構成する筋肉の壁(筋膜)が、加齢とともに弱くなるため、その隙間が徐々に広がり、その道を通じて腸を包んでいる腹膜が飛び出し、その中を腸が出たり、入ったりするために起こります。
ソケイヘルニアは、腸が飛び出す道ができてしまっていますので、放っておいて、自然に治ることはありません。治す方法は、ただ一つ基本的には手術しかありません。悪い病気ではありませんので、その症状や程度によりますが、治ることはないので、日常生活に不便が出る前に手術を受けられることをお薦めします。その手術の方法ですが、最も一般的に行われている方法は、ヘルニアが出ている部分の皮膚を5cmほど切って、その奥から出てきている腸を包んでいる袋の腹膜(ヘルニア嚢)をお腹の元の鞘に戻してあげて、弱っている部分をメッシュと呼ばれる人工のシートで補強する方法であり、当院でもその方法を行っています。
当院では、患者さんのニーズに合わせ、腰椎麻酔、全身麻酔、局所麻酔による手術を行っています。局所麻酔によるソケイヘルニア手術は、手術の方法、内容は腰椎麻酔と全く同じですが、局部の麻酔のみで行いますので、身体の負担が少なく、また手術直後から歩くことも可能ですし、食事も可能ですので、入院の必要がなく、「日帰り手術」が可能となります。特に高齢者や心・肺疾患などの重篤な合併症をお持ちの患者さんでも負担を軽減した手術が可能です。局所麻酔手術でも、希望により入院手術が可能ですし、腰椎麻酔による手術でも1泊あるいは2泊での入院で行えます。
これらソケイヘルニアの詳細に関しては、当院作成の「蒼海」に掲載記事またはPERSPECTIVEに掲載された記事をご参照下さい。



